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2021.2.8
コラム No.16アパレル・ファッション業界とSDGsの関係性について
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略で、持続可能な開発目標という意味です。現在、衣料関連企業でもSDGsに基づいた様々な取り組みが推奨されており、多くのアパレル企業では積極的な取り組みがおこなわれています。
ここでは、SDGsに基づき衣料関連企業が取り組むべき目標について、SDGsの基礎知識とともにもお伝えしたいと思います。
目次
- 1.そもそも持続可能な開発目標(SDGs)とはなにか
- 1-1.SDGsを構成する17の目標
- 2.アパレル・ファッション業界でもSDGsが注目される理由
- 2-1.大量の資源とエネルギーの消費
- 2-2.大量消費と大量生産
- 2-3.労働環境
- 3.SDGsに対するアパレル・ファッション業界の取り組み
- 3-1.リデュース(削減)
- 3-2.リユース(再使用)
- 3-3.リサイクル(再資源化)
- 3-3-1.アップサイクルとシェアリングエコノミー
- 4.アパレル・ファッション業界が進めるサステナブルファッションについて
- 4-1.エシカルファッションやスローファッション
- 5.アパレル・ファッション業界におけるSDGsの今後について
- 6.まとめ
1.そもそも持続可能な開発目標(SDGs)とは?
持続可能な開発目標(SDGs)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年におこなわれた国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」により、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標のことを指します。
17のゴール・169のターゲットから構成されており、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という誓いから、発展途上国はもちろん先進国自身が取り組む普遍的なものです。つまり、我が国日本でも積極的に取り組んでいく必要があります。
1-1.SDGsを構成する17の目標
SDGsを構成している17の目標について、下記にまとめました。
- 1.貧困をなくそう
- 2.飢餓をゼロに
- 3.全ての人に健康と福祉を
- 4.質の良い教育をみんなに
- 5.ジェンダーの平等を実現しよう
- 6.安全な水とトイレを世界中に
- 7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 8.働きがいも経済成長も
- 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
- 10.人や国の不平等をなくそう
- 11.住み続けられるまちづくりを
- 12.つくる責任つかう責任
- 13.気候変動に具体的な対策を
- 14.海の豊かさを守ろう
- 15.陸の豊かさも守ろう
- 16.平和と公平をすべてのひとに
- 17.パートナーシップで目標を達成しよう
今や先進国である日本でも、子どもの6人~7人に1人が貧困の時代といわれています。SDGsで定義されているそれぞれの目標を通して、開発途上国だけでなく、先進国でも環境や経済の成長をふまえたものとなっています。
2.アパレル・ファッション業界でもSDGsが注目される理由
SDGsやサステナビリティ(持続可能性)にテーマを置いたファッション雑誌が数多く発行されており、SDGsを特集した雑誌が特集されるなど大きく注目されています。
その理由として、大きく以下の3点が挙げられます。
- ● 大量の資源とエネルギーの消費
- ● 大量消費と大量生産
- ● 労働環境
1点ずつ見ていきましょう。
2-1.大量の資源とエネルギーの消費
衣類を1枚作るために利用される資源とエネルギー量の多さが、SDGsが注目される理由となっています。
衣類のなかでも、化学繊維の衣類には特に多くのエネルギーが利用されていて、天然繊維の綿と比較して3倍以上の二酸化炭素が排出されているといわれるほどです。
また、衣類による環境汚染は洗濯時にも起きています。洗濯によって、衣類の繊維であったり染料の成分である化学物質であったりが排水として川に流れていくことで、川が汚れ魚の体内にも入ってしまいます。
さらに、水資源の消費も大きな問題です。天然繊維である綿花の栽培をはじめとしたシーンで多くの水が利用され、全世界での水消費量のうち1割強がアパレル業界で消費されているんです。
以上のように、資源の消費や環境への影響を改善すべく、アパレル業界においてSDGsの考え方が広まっています。
2-2.大量消費と大量生産
高度経済成長期の名残による「衣類の大量生産・大量消費」が問題視されています。
アパレル業界は、商品の入れ替えやトレンドの移り変わりが激しい業界です。そのため、需要予測が他業界に比べて困難と言われています。
環境省から発表されている調査結果によると、「衣類の国内新規供給量は計81.9万トン(2020年)に対し、約9割に相当する計78.7万トンが事業所及び家庭から使用後に手放される」とされています。
引用:環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務 -「ファッションと環境」調査結果 (リンク先:https://www.env.go.jp/policy/pdf/st_fashion_and_environment_r2gaiyo.pdf)
衣類の大量生産と大量消費の現実は、数値によって明確に示されています。そしてこの現実を少しでも改善するために、アパレル業界でもSDGsが注目されている理由となります。
2-3.労働環境
現在のアパレル業界では、激しい価格競争が起こっている影響で、途上国での労働環境悪化が問題となっています。
アパレル業界では、低価格で商品を提供するためのコストカットの一環で、途上国での生産が進められています。これにより途上国への仕事提供につながってはいるものの、長時間労働や労働環境悪化が深刻化しているのが現状です。
労働者の誰もが持っている基本的人権を守るため、SDGsへの取り組みによる労働環境の改善が課題となり、徐々に推し進められている状況です。
3.SDGsに対するアパレル・ファッション業界の取り組み
ここで、アパレル・ファッション業界にて実際に取り組まれているSDGsの事例について解説していきます。
アパレル業界では、メーカーと消費者双方にて、「3R」をもとにした取り組みがおこなわれています。3Rは、「リデュース=削減」「リユース=再使用」「リサイクル=再資源化」の3つの言葉から頭文字を取ったものです。
それぞれの取り組みを1つずつ解説していきます。
3-1.リデュース(削減)
リデュースは、使用する物やゴミ自体を減らすことを示しています。無駄な資源消費が減り、排出されるゴミの削減にもなります。
アパレル業界においては、廃棄物の量を減らすことや、新しい物を使用しない工夫として、以下のようなことが可能です。
- ● 服を購入する際に似たよう服を持っていないかの確認する
- ● 流行服でなく長期的に着用できるスタイルを選ぶ
- ● 正しい服の手入れ方法を知って大事に着用する
- ● 労働環境
これらの方法によって、環境負担削減になっていきます。
3-2.リユース(再使用)
リユースは、新しい物ではく既存品の再使用することを示しています。最近はまだ使用できる物が破棄されやすいなかで、再利用を意識して製品価値を循環させることは、持続可能な社会貢献に繋がります。
アパレル業界においては、再利用の価値観が「3R」のなかで一番高い項目です。たとえば、消費者においては以下のような取り組みができます。
- ● 古着屋で服を譲ったり購入したりする
- ● フリマアプリで服を販売する
- ● リサイクルショップやセカンドハンドショップで売買する
また、企業同士でおこなわれているリユースとして代表的なものは、「本来は廃棄予定だった滞留在庫品を、必要とする人に仕入れてもらうことで再循環させる」です。企業間で滞留在庫の仕入れをおこなうことで資源循環が進んでいきます。
3-3.リサイクル(再資源化)
リサイクルは、不要物を新資源として作り変えることを示しています。リサイクルでは、新たな物に作り変える際にエネルギーを使用するので、リデュースやリユースよりは優先度が低い方法ではあるものの、廃棄物を資源活用する点においてはサステナブルな価値観といえるでしょう。
アパレル業界では、以下のような取り組みを中心に実施されています。
- ● 服をリサイクルすることでタオルや別の服などに作り変える
- ● 別の物をリサイクルして服に作り変える
- ● 不要になった服を雑巾・ぬいぐるみ・軍手などに作り変える
- ● リサイクルポリエステル・再生セルロース繊維を使用たし服を、リサイクルボックスで回収する
しかしアパレル業界では、まだまだ他業界と比べてリサイクル率が低いといわれているのが現状です。
3-1-1.アップサイクルとシェアリングエコノミー
アパレル業界では、リサイクルに関連して「アップサイクル」と「シェアリングエコノミー」も取り組まれています。
アップサイクルは、不要物や古物を技術やデザイン力を駆使して新商品に蘇らせて価値を高めることです。一度素材に戻して再び作るリサイクルではなく、元の形状や特徴を活かしたリサイクルがアップサイクルのポイントです。大手ブランドをはじめ、様々なブランドからアップサイクル商品が発表されています。
また、シェアリングエコノミーは、使用していない人や物・お金・場所・時間・技術などの資産が、インターネットを介して有効活用されることを示しています。これからの時代において大きく拡大していくことが予想されており、アパレル業界でも取り組みが増加している現状です。
4.アパレル・ファッション業界が進めるサステナブルファッションについて
アパレル・ファッション業界の環境への負担削減で欠かせないのが、「サステナブルファッション」です。
サスティナブルファッションは、服の生産・販売・消費に至る一連のプロセスにおいて、環境や社会・経済へ最大限に配慮がなされることを指します。環境負荷軽減の為に、以下のような衣類の製作がおこなわれています。
- ● オーガニックコットン使用の衣類
- ● 長期雇用システムで生産された衣類
アパレル業界全体で、環境や人に配慮したサステナブルファッションとSDGsへの取り組みによって、環境への負担を減らすように努めています。
4-1.エシカルファッションやスローファッション
また、サステナブルファッション以外にも注目されているのが「エシカルファッション」と「スローファッション」です。
エシカルファッションとは、手に取った衣類が作られている背景に対しての理解を深め、たとえばフェアトレードな衣類を選択してエシカルに、つまり倫理的に消費することを指します。
スローファッションとは、お気に入りの1枚を長く着続けようとするファッションへの考え方です。
アパレル業界では、サステナブルファッションに加えて以上2つの考え方についても注目を集めています。
5.アパレル・ファッション業界におけるSDGsの今後について
世界的なSDGs(持続可能な開発目標)への認識の高まりによって、日本でもSDGsへ取り組むアパレル企業が増えています。また、SDGsがアパレル業界にもたらす良い影響や新たなビジネスの機会についても変化が見られています。
日本では、3Rのなかで特にリサイクルが重視されていますが、大量生産・大量消費のアパレル業界で、リサイクルだけでは対応が追いつきません。そのため、欧米では3Rに加え「リフューズ」「リパーパス」「リペア」を加えた6Rが推進されています。
特に、製品を長く使っていこうとするリペアに着目したルールが作られていて、欧州委員会のエコデザイン作業計画では耐久性やリサイクル容易性など製品別と分野共通の規格策定が進んでいます。また、リペアは市場でも拡大していて、米国におけるリペアを含む衣服のリセール市場を見ると、2018年は50億ドルなのに対して2023年には230億ドルまでの成長する予測です。
現在、日本のアパレル業界においても、衣類のリサイクルだけでなく、製品を長期的に使用できるようにリペアの価値観が一層普及することが期待されています。
6.まとめ
SDGsに基づいたアパレル・ファッション業界の取り組みについて解説してきました。アパレル業界では、以下3つの要因からSDGsへの取り組みが推し進められています。
- ● オーガニックコットン使用の衣類
- ● 長期雇用システムで生産された衣類
- ● 労働環境
アパレル業界では、SDGsの取り組みによって新たなビジネスチャンスを掴み、会社の規模に関係なく参与し社会に貢献できることで、企業価値向上に繋がります。これは、アパレル業界だけでなくさまざまな業界にも当てはまることです。
SDGsでは、誰もが掲げやすい目標が設定されているので、社会全体で取り組みを加速させ、より良い環境作りに貢献しましょう。