コラム No.12
クラスTシャツについて(4)
クラスTシャツのデザイン

クラスTシャツについて(4)クラスTシャツのデザイン

クラスTシャツとは、文化祭や体育祭などの学校のイベントのときに着る、クラス全員でおそろいのTシャツのことです。1990年頃から普及しはじめ、現在では定番のアイテムになっています。昔は既成のTシャツにワンポイント入れる程度だったデザインも、現在はさまざまに進化しました。
しかしそんなクラスTシャツも、全部の工程を見ていくとなかなかハードな制作物です。ほぼ素人に近い数十人のコンセンサスをまとめ、一つのデザインに落とし込み、それを期日までに外部の会社に実際に支払いをして作っていくというのは、社会人にとってもなかなか大変な仕事です。そのような過酷な作業を仲間と一緒にやり遂げたことも、良い思い出となるでしょう。
また、もともとは高校生のイベントグッズだったのですが、定番グッズの位置を獲得するにつれ、中学生、小学生、幼稚園というように活躍の場所を広げていき、クラス全体から、部活や部活の行事といった、より規模の小さなイベントにも範囲を広げていきました。また社会人になったあとも、友達同士のちょっとしたイベントでもおそろいのTシャツを作るということも出てきました。そうなるともはや「クラス」限定ではないのですが、ここではクラスTシャツというように呼びます。

前回の「クラスTシャツについて(3)著作権に気をつけて」に続き、今回は「クラスTシャツのデザイン」について解説します。

背ネーム+背番号

背ネームがもともと野球やサッカーのユニフォームのイメージから発展したことがあり、背ネームを入れるには背番号がやはりしっくりときます。シンプルですし、野球やサッカーで見慣れているものだけにデザインのコンセンサスも得やすいのではないかと思います。
またクラスTシャツの生地とその後の利用方法に注目すると、吸汗速乾のスポーツ用の生地を使って作りイベントのあともスポーツ用として利用できるというのは現実的な使い方ですし、その際に背番号と背ネームはデザイン的にもしっくり来るものといえるでしょう。
また、文化祭と体育祭の両方で着られることもポイントが高いです。

パロディ

Tシャツの歴史自体に企業のロゴなどをもじったパロディものがあるので、由緒正しいデザインだと言えるでしょう。某有名スポーツ用品メーカー名とロゴをもじったakides(ロゴがカエデ)やadides(ロゴが鯵)といったものを見たことがあるのではないでしょうか。GoogleでパロディTシャツで画像検索するとたくさん出てきますし、思わずニヤリとさせられます。
しかしクラスTシャツのデザインとしてはちょっと使いにくいでしょう。
パロディは全員が元ネタを承知しているという前提で成立するので、どうしてもアニメや漫画のキャラクターになりますし、そうなると著作権の問題が出てきます。元ネタをニッチでローカルなものにしていくと今度は「全員が」という条件に反しますので、パロディとして成り立たなくなり、デザイン担当者の内輪受けという批判が出てきます。ただ面白いだけのパロディはセンスの問題になってきますので、コンセンサスを得ることが難しくなるでしょう。
パロディは面白いし受けもいいので、企画段階では人気なのですが、その後の持続が難しいということになります。
それでもパロディは人気のあるジャンルですし、これぞクラスTシャツという雰囲気のするものでもあります。パロディはTシャツ作成業者の提供しているデザインサンプルの中から選ぶようにしておいたほうが良いかと思います。これは著作権対策もあります。Tシャツ作成会社はデザインのプロですし、そこで公開されているサンプルのデザインはプロが当然著作権のことを考えて作成したものになるからです。

手描き

クラスTシャツのデザインで「手描き」という場合は2通りあります。
一つは手描き原稿そのものを印刷する場合で、もう一つはFAXなどで手描き原稿を入稿するとTシャツ作成業者のスタッフがそれに近いものに起こしてくれるものです。
後者は入稿方法の一つに過ぎないので、ここでは前者について言及します。
アドビイラストレーターの使える人がいないというのもよくありますし、イラストレーターが使えるといっても、操作を一通りできるのと、イラレで自作イラストを描けるというのは相当な違いがあります。
手描きデザインの場合は太いペンで塗り重ねせずに躊躇せずに描くほうがうまくいきます。いわゆるヘタウマ風の感じになりますが、Tシャツにしてしまうとしっくり来るものではありますし、元々のクラスTシャツの目的がクラスの団結や一体感であってアートではないので、イラストレーターで作り込んで技巧に走った結果一部の人の内輪受けになってしまうよりも、シンプルでみんなが参加できる手描きというのは、悪くない選択肢です。

名前入り

クラスの全員の名前の入ったデザインはクラスTシャツの定番です。名前を入れる場所もデザインとマッチするように様々に工夫されたサンプルが数多くありますので、参考にできるでしょう。フルネームでも名字だけでも下の名前だけでも、本名の場合とニックネームの場合があります。ニックネームの場合、クラス全員となると背ネームのときと同じ問題が発生しますので、早めに本人に自己申告させるのが良いでしょう。

担任のキャラ入り

担任の先生はクラスの顔といえますし、現実的話をすると実際問題としてクラスに一人しかおらず、公的にも担任という立場なるわけですから、皆のコンセンサスを取りやすいということがあります。
担任の先生の名前をもじったり、キャラクターを流用するのが考えられます。絵の上手な人がいるのならば似顔絵を書いてしまっても良いでしょう。

前回:クラスTシャツについて(3)著作権に気をつけて